逸脱せよ!


by amnesiac7
カレンダー
S M T W T F S
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30

傘紳士

「おじょうさん、このカサをどうぞ」
雨の日、かわいい女の子を見つけては、駅前でカサを配る男がいる。
はじめのころはよく不審者と間違われ、警察から職務質問を受けることもたびたびだったが、いつのまにか、この駅の名物としてみとめられるようになっていった。
男の目的がナンパではなく、「ただ、傘を渡したいだけ」であることも、いくつかの事例(逆ナンパのおことわりなど)から推測され、婦女子たちの警戒心が薄れていったからだ。
いつしか彼からカサを受け取ることは美人の証であると、女学生たちのあいだでウワサとなり、雨の日、カサも持たずに最寄でもないこの駅で降りる女の子が増えていった。

あるとき、となり町の高校でいちばんモテるという女子生徒が、これ見よがしに男の前を通ったが、素で無視し、おじさんの審美眼はある者たちに高く評価され、ある者たちをひどく怒らせた。
「おじさんが美人とする基準はどこなのだろう?」
雨予報が出ると学生たちは、いつもこんな話題をするようになった。
「オレにはわかるぜ。おじさんはな-------」
ヘビー・ウォッチャーを自称する者たちも増えてきた。
雨の日になると、この駅周辺だけが学生たちで溢れかえるようになり、軽食関係の店やコンビニはまさに潤い、沿線の駅前商店街でも、おじさんの招致が真剣に検討されるようになっていった。

「うぉぉぉぉぉ!」 歓声が上がる。
きょうは大学生とおぼしき女の子がおじさんから傘を手渡され、歓喜。
ギャラリーはみな拍手し、いっしょについてきたと思われる仲間たちに胴上げされ、涙を流す。
(この年、彼女はミスキャンパスの準ミスを受賞することとなる。ちなみに彼女が通う大学は、この駅から7つも離れたところにある。が、それはまた別の話)

カサおじさんと呼ばれる男に話を訊いてみる。
「あなたはいまの状況について、どう思われますか?」
カサおじさんと呼ばれる男はテレくさそうにこう答えた。
「ボクはまだ34歳です。本人としては、まだ"おじさん"と呼ばれる歳ではないつもりなんですけど・・・せめて、"傘紳士"くらいにしてほしいですね、呼び名は」



"断片小説"である
短編にすらしきれない、断片くらいのアイデア
これくらいの分量なら、オレにもすらすら書けるのではないか、と思ってやってみたのだが、いま書きあがりを眺めると、やたらと説明くさく、文体も硬い(笑)
思いつきはほんの一瞬
だから200くらい集めれば、オレでも小説一冊分くらいはすぐに書けると淡い期待を持つも、いま目の前に仕上がったのを見て、暗澹たる気分
日記、評論(もどき)の類いと"小説"とでは、やはり全く文章を書く手法はちがうのだな
小説風味を身につけるのには、まだまだ時間がかかりそうだ
ちょっとした来年の目標になったかもしれんね、これは

ちなみにこれ書くのに要した時間は30分くらい
アイデア、ディテールの大まかな空想時間は省いて、それでもである
せめて半分くらいの時間で書けるようになりたいものすね

追記:ダレかひとりくらい感想くれても良いと思うんだな アクセス数けっこうあるのに・・・(´・ω・`)
[PR]
by AMNESIac7 | 2008-12-03 12:55 | 断片小説