逸脱せよ!


by amnesiac7
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最後のニュース

筑紫哲也の追悼番組
最後に流れたのは、井上陽水の生演奏による『最後のニュース(89年)』
まるで筑紫さんのために書かれたような曲だなぁ、と歌詞テロップを眺めていたのだが、いま調べてみたところ、この曲はNEWS23の初代エンディングテーマとして書き下ろされたものであることが判明
当時、陽水が感じてとっていた未来像は、完全に色濃く、しっかりとした深い影をつけてしまった現在の姿の正確な予見(予感)であったことが明らかとなった

筑紫哲也というひとの過去の言説を眺めていて感じたのは、"反権威"としての自由について
彼は少数派、弱者側の目線を忘れず、反対側からの事体の照射に常に留意する男だったようだ
物事を正確に知るためには、片側からの目線だけでは不公正かつ、不可能であることを熟知しており、バランサーとしての自分の存在を常に意識した発言が多く目についた
「ああ、これはまちがいなく、弱いひがみ屋どもには嫌われるわ」と見ていて納得
闘う人間の姿は、自分にうしろめたいものを持つ人間にとっては、眩しく、不愉快なものでもある
カンタンな、ただ楽なだけの逃げ(短絡的こじつけ思考)を認めない闘う男(問題提起型問題発言者)
その態度は他者に強制をしなくても、厳しい詰問状となり、ひとによっては癇癪の種となるのだろう

歌詞の最後のフレーズが、期せずして意味を変え、まさに筑紫を送るためのようなものとなってしまい、声を震わす陽水
日本一歌の上手い男が、泣くでもなく、悔しく、怒っているような、整理のつかない歌声で
シニカルがウリの曲が、発表から20年近く経った現在、あまりにも予測通りすぎて、怒りに変わり、さらに筑紫を失い、行き場をなくし
筑紫哲也というひとを失い、ほんとうにニュース(報道の火)が途絶えてしまうかのように

ボクたちだって、もちろん戦争などには断固反対だ
だけど、ボクたちには"体験"がない
ほんとうに怒ってみせたところで、体験者たちの怒りとは数光年の乖離がある
だけど、体験者もいつかはいなくなる
いつまでも彼らにオピニオン・リーダーを任せてはいられない
二度と体験者を生み出さないために、未体験のボクらにできること
筑紫が最後の多事争論で「ガンにかかっている」と表現したこの国
彼は最後まで闘った ボクらは?

追記:『最後のニュース』をここでは、予見的な曲として表現していますが、実際には当時から現実として浮かび上がっていたイメージだった、というのがほんとうのところでしょうね
だとすると、予見的というよりも、予兆、崩壊の先触れがすでに現れていたことになり、にもかかわらず、ボクらは20年近くそれらの案件に真剣に取り組まず、先延ばし・・・である
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by AMNESIac7 | 2008-11-11 22:38 | ニュース