逸脱せよ!


by amnesiac7
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著作権侵害云々

☆ コミック「イキガミ」、星新一氏作品に似ると二女が抗議 ☆

ショートショートの神様、星新一さんの作品『生活維持省(1960)』と、映画化もされた人気コミック『イキガミ』の設定が酷似しているという問題
詳しい話は、星さんの遺族が運営している公式ホームページで述べられていますが、ボクの脳裏にすぐによぎったのが「二次(間接)インスパイア」である
小学館側からの回答に、「イキガミ」関係者が事前に「生活維持省」を読んだという事実はない、という行があり、もしこれが事実であるのなら、やはり可能性が高いな、と

ボクは、話題になるけっこう前に偶然、近所のブックオフで(発売当初すぐに)105円で売られていた『イキガミ』の1巻を読んでいた
そのとき受けた印象は、どこかで読んだことがある、あるいは想像したことがある話だな、と
(いま現在でも、ボクは星さんの『生活維持省』は未読であるのに)
こういった体験は、ダレにでも腐るほどあると思うのだが、これはやはり二次(間接)的にでも、星さんの作品に触れていた可能性があるからではないだろうか
星さんの作品にインスパイアされた人間が造りだした、偽『生活維持省』
無理やり歪めて造った贋物ではあるけれども、ボクたちはなんらかの衝撃を受け、それを脳内で辻褄の合うように解体、再構築していくと、本来の、そう星さんオリジナルの『生活維持省』へと近づいていく これは偶然でもなんでもなくて、必然に近い現象ではないだろうか

創作の過程でよく起こりうる現象 なのだろうが、今回の問題点はそのスパン、サイクルの短さにある
著作権切れを起こしている作家のものならば、問題にはならなかっただろうし、ここまで設定が似ているのなら、いくらでも譲歩して「参考文献」くらいの扱いで欄外に載せるのもやぶさかではないのだろうが、著作権(おカネ)が発生する作品には、ここまでくればシラをきり通すしか、小学館も道がない、というのもうなずける話ではある

天才は、多くの人間に衝撃を与え、影響を及ぼす
ただ、あまりに広範に影響を与えすぎると、間接摂取者もやはり増え、必然的にオリジナルの所在を知らぬ者が大勢産み落とされる
そして中には「時代的感受性」などと錯覚を起こし、自分には当たり前のように、それを利用する権利があると思う者が現れるのも、これまた必然だろう
(しかも、自分はいまの世代を要約できる「代弁者」である、とも)
ダレが悪いという話ではなく、星新一が天才のひとりであった、というだけの話
(そんな星さんもやはり、ダレかの思考の断片を間接的に受信し、それを組み合わせて、創作していたというのも当たり前の事実だ それが創作ってものなのだから 無から有を造れるのは天才ではなく、神=ひとでなしだけだろうね)

ただ、ほんとにパクってなければの話だけどね!w

追記:さて、星さんの『生活維持省』を読んでみました
表面的事象だけを見るのならば、小学館編集局の主張どおり、たしかにこれは別の作品といえる
だが、これはアングルだけの違いで、星新一の表現の方がさらに怖く、考えさせられるものだった
国家による秩序維持としての間引き
『イキガミ』は、赤紙から着想を得ていると言っているが、『生活維持省』のそれだって、やはりそれであるだろうし、単に『イキガミ』が隠喩的表現を解読できない現代人用に直接的表現を採用しているに過ぎない、とも言えるのではないか?
ただ、まぁたしかに「別の作品」と言い切ってしまえる程度には、表面的差異もあり、これは白に近いグレーといえるのかな?

追記の追記:ただ星新一のそれ、無機質に書かれすぎていて、ほんとうにボクが想像するような「隠喩」が含まれているのか、若干不安になったり・・・まぁ、どちらかといえば、こちらの方が現代的(といっても、4~5年前くらいの日本的)といえるくらいシニカルというか、刹那的な印象を受ける文面でした
時代的空気を媒介しないと、翻訳小説くらいの感覚差異が生じるのかもしれませんね あれれ?
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by AMNESIac7 | 2008-09-19 21:23 | ニュース