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逸脱せよ!


by amnesiac7
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サマー☆ビューティ

とてもとても暑い夏でした
とても「さわやか」な夏でした
波の音が聞こえ さわやかな風が吹く
ビーチではしゃぐ 子供たち
小鳥のようなセックス

別に夢の話をしてるわけじゃない
境界線が常に一定だなんて 老人のようなおろかしさだ

山を登っていました
霧は辺りにはたちこめず しかし延髄のあたりをモヤとなって覆っていました
山の中腹にさしかかったころ 目の前に男が現われました
男に向って歩をすすめようとすると なぜか足元から ただでさえない感覚が失せ
一向に近づけなくなりました
男は ボクが5歳のときになくなった父親でした
ふたりのあいだには なんのなつかしみもありませんでした
5歳のときになくなったのなら すこしは記憶がありそうなものだけど
ボクにはたった1枚の写真の記憶しかありませんでした
なぜか男も同様のようでした
理想的な父と子の対面

冬のにぎやかな地下街
通りを歩くひとびとは みな一様に原色の暖色を身に纏い とても笑顔でした
ボクも気づくと笑顔でした
そこには音はなく まったくなつかしくないノスタルジアが横たわっていました

気持ちのよい春でした
山も野も灰色に枯れ 歩くたびにパチパチと草木の折れる音がしました
あたりには動物がいないかわりに なぜかやさしさが満ち溢れていました
おそらくそこは故郷の風景に似ていたにちがいませんでした

季節は巡ります
順番が変わろうとも
問題は最後をすごす景色です
どれもカタワモノの景色なら どの景色を選ぶのが正解なのだろうか

エロ・テロリスト=インリン・オブ・ジョイトイ
by amnesiac7 | 2004-11-20 17:10 | 小説もどき