逸脱せよ!


by amnesiac7
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格子なき牢獄

裏の家の爺さんが83歳で亡くなった。心不全だった。
55歳で妻が蒸発。以降、息子たちから幾度となく、「一緒に住もう」と誘いを受けるも、こばみ続け、
ひとり裏の家屋に住み続けた。
家を空けることは、よほどのことがないかぎりなく、常に家に籠もりきりだった(買出しは隣家の住人に頼んでいた)が、寝たきりでもなかったし、異常なほど毎日屋内を清掃する潔癖な人物だったようだ。

葬儀はしめやかに執り行われ、遺族たちにより、この家の今後についても話し合いが持たれた。
爺さんの手により、極めて清潔に保たれた家屋ではあったが、そこはやはり築半世紀以上。すんなり取り壊しが決定した。

解体日、辺りは騒然となった。
取り壊し始めた家屋の、爺さんの寝室だった場所の北壁から、人型の白骨が出てきたのである。
鑑定の結果、28年前に失踪したとされる彼の妻のそれであることが判明した。

彼は、この骨が見つかることを恐れ、この家から離れることができなかったのだろうか?
数年前に記されたと思われる遺書にも、この件を匂わせる記述は一切ない。


断片小説第何弾かな?
たしかこれに似た事件、実際にあったよね。爺さんの話ではなかったと思うけど。
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by AMNESIac7 | 2009-01-08 20:19 | 断片小説