逸脱せよ!


by amnesiac7
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カテゴリ:断片小説( 28 )

天獄

彼は生前"常に正しく"暮らしてきた。
よって、彼は念願でもあった天国に辿りついた。
しかし、そこには誰ひとり人間はおらず、彼ひとりが存在するのみだった。

彼は生前、大きな病気をひとつもせず、常に節度を守り、なにひとつ他人に恥じるところを持たず、
天寿を全うした。
そんな人間であったにもかかわらず、彼にはまるで人望がなかった。
彼の、ひとの痛みをなにひとつ感じることができず、認めないもしない態度が、ひとびとをして、
敬遠させる結果を招いたからだ。

彼は天国で、こうつぶやいた。
「また、ひとりぼっちになってしまったか」

節度の虜囚の話
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by AMNESIac7 | 2008-12-18 18:32 | 断片小説

或る老いぼれについて

彼は老いぼれすぎて、自分が老いぼれてしまったことも理解できなくなっていた。
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by AMNESIac7 | 2008-12-17 16:51 | 断片小説

沈黙

「彼はいつも黙り込んだままだが、いったい何のつもりなんだ?」
「我々に対して、軽蔑を表しているつもりではないかな」
「いや、碌(ろく)な思考力がないから、ただ黙っているだけだろう。まぁ、賢明な判断とも言えるが」
「・・・沈黙は金、雄弁は銀」
「おそらく我々の話題がくだらないので、どこか別の空の下のことでも考えているのだろう」

ただ黙っているだけでも、ひとの見方は千差万別である。
沈黙は人々を惑わせる。
話題の人物になりたければ、我々はただ鷹揚とだんまりを決め込んでいればよい。



すっきりとした断片小説
このくらいのサイズこそ、断片といえるのかな
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by AMNESIac7 | 2008-12-14 18:41 | 断片小説

変換(仮)

本年度の行政新案モデル指定地区において、実験された新案は「変換」だった。
近年、メールなどのやりとりによって、若者のことばの乱れがさらに加速しているとするお歴々の圧力により、学生たちの携帯電話での文面の修正・変換を試験実験することとなった。
例えば、"よろ~"などの略語を"よろしくおねがいします"とコンバーションすることによって、学生たちに正しい日本語を仕込むというもの。
これは当初、専用の自動変換ソフトによって行なわれるとだけ伝えられていた。

導入直後、学生たちはひどいストレスを溜め込んだ。
送ったメールのレスポンスが非常に遅くなり、その間、"なにもできない"状態が続いたからだ。
担当官は「ことばの変換作業は非常に高度で、ソフトによる処理にも時間がかかります。しかし、この件については随時修正を加えていきますのでご安心ください」と述べた。
事実、長文などの変換にはあいかわらずのタイムラグがあるも、ショートメールならば、苦痛にならない程度には改善されていった。

導入して2ヶ月弱、一部の学生たちのそれに、奇妙な現象が起きはじめた。
送った文章の内容と届いたメールのそれに、奇妙な乖離が出てきたのである。
これは変換ソフトの誤処理というよりも、内容そのものの改竄といえるズレで、不可解に思ったハッキング技術に長けた学生(モデル対象者のひとり)が、プログラムのクラッキングを試み、とんでもない事実に突き当たった。
このプログラムが"有志(ボランティア)たちの手作業によるものであった"ということに。

事態は一気に深刻化した。
この学生による"成果"は、もちろんインターネット上で大々的に喧伝され、後乗りのマスコミでも大きく採りあげられることとなり、新案の実行委員会は窮地に立たされた。
「しかし、このプログラムの対象となった学生たちの多くの国語力が飛躍的に向上してきているのは、定期的に行なっているテストの結果からも歴然である」
委員のひとりがピントのズレた発言で話題の方向転換を謀ろうとし、実際にそれに引っかかったコメンテーターたちも少なからずいたが、これもカンタンな数字の操作と実情に精通する者に看破され、さらなる火を煽る結果となった。

今回の件はいったい何がマズかったのか?
・・・・・・・・・・


・・・書きかけ載せた つーか、ツマったw
続きをどうするか、もしくは間になにをはさむか
いままでのも、なんらオチも考えずに書いていたわけだが、今回はついに詰まってしまった^^;
ちょっといったん、ここで放置、なんか降りてきたら書き足します(適当だな、オイ)

「ダジャレを考えるよりは(より高度で)脳に良いだろう」
安直な考えから始まった、この断片小説のコーナー
"オチ"が付かなくても、とにかく連続投下 アタマの体操だから詰まったら放置して次
だから、ここ、マジメに読むコーナーではありませんが、悪しからず(*- -)(*_ _)ペコリ

あとこの話のオチ、このブログの読者諸氏に任せるのもありか(なに言ってんだ、オレ)?

関連記事:中高生が国語辞典に載せたい言葉 「タヒる」「ハンパねぇ」「オワタ」
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by AMNESIac7 | 2008-12-10 16:50 | 断片小説

遅刻するワケ

A「ち、またアイツ遅刻かよ!」
B「そうカリカリすんなって、いつものことだろ」
C「アイツがいつも遅刻する理由知ってるか?」
A「なんだよ」
B「ああ、例のバミューダ・トライアングルか」
C「そうそう、アイツん家から駅前方面は魔の三角地帯が・・・ね」
A「あん?」
B「コンビニに古本屋、でCDショップだな」
A「おいおい、ふざけんなよ。アイツいつも寄り道して遅れてたっていうのか?!」
B・C「さぁね」

(待ち合わせ時刻から40分が経過)
D「すまん、すまん、遅れた」
A「おせーなっ、なにやってたんだよ!寄り道か!?」
D「なんかな、玄関出ると何やら霊的な障壁に遮られていて、駅前方面が塞がってたんだよ」
A「あん、なに言ってんだ?バミューダなんとかの呪いだとでも言うつもりか!?」
D「いや、そういう洋風な話じゃなくて、行けども行けども同じ場所に帰ってくる、あれなんだっけか? ヘタすりゃマヨイガにでも辿りついてしまいそうな・・・」
C「で、お前、どうやって出てこれたんだ?」
D「それがな、同じ場所をぐるぐると回って4度目のとき、クソがーっ!て近くにあった燈篭を蹴飛ばしたら、上に乗っかっていた丸石が落ちたんだ。すると---」
B「お前、"要石"を動かしたのかっ!?」
A「まてまて、お前ら・・・つーか、D!お前が右手に持っている紙袋は何だ?」
D「ち、バレたか・・・」
Dの右手には〇〇古書店と記された茶色い紙袋。中にはなにやらサブカル関係の本が2冊。
A「お前らのそのノリには、オレはいつもついていけな・・・ふ、なんだよ、そのパンツ。それも仕込みのひとつか?」
Aが指差したDのパンツは、まごうことなきバミューダだった。



・・・何書いてんだ、オレ?(笑)
この断片小説のコーナー、できるだけ日課にしようと思っていたけど、いきなりこのグダグダは!
まぁ、まさに断片的エピソードなのではあるが、これを書く意味あったのか?w
次回はマジメに書きます、たぶん、ウソ(ぉぃ)
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by AMNESIac7 | 2008-12-08 21:50 | 断片小説

父カエル

再会は突然だった。
月明かりの下、海岸通りをふらふらと散歩していると、前から予期せぬ人物が現れた。
「よぉ、ひさしぶりっ!」
3ヶ月前に死んだ父、そのひとであった。

玄関で泣き崩れる母、絶句し、口をパクパクさせている妹。
やはり誰がどう見ても、ボクの父親。一家の長の帰還である。
「あの世がヒマ過ぎて、ちょっくら帰ってきたんよ」
普通に晩酌しながら、遅い夕飯をとる父。
死んだはずの父がメシを喰っている(どういう仕組みだ?)。だけど"影"はない。そして脈もない。
「脈なしですわぁ(笑)」
ギャグにもなっていないのに、自信満々の笑みを浮かべ。やはり、ボクの父でまちがいない。
(このフレーズは、このあと数日、何かにつけて出てくる父のマイ流行語となった=ウザイ)

数日が経過し、家族の関係はどんどんと軋(きし)んでいった。
この状況をなんとか引き伸ばそうと、絵空事のようなコミュニケーションを続ける母。
独り、一点を見つめ、ブツブツとなにやらつぶやき続ける妹。
ボクにしても、やはりどこかおかしく、声のボリュームが調節できなくなったり、自分でも自分がよくわからない状態。にも関わらず、父だけが元気に"居座り続けている"。

「ん、俺をハネた犯人だって?・・・あれだよ、あれ。坂の上の酒屋の息子。ほら、お前の同級生の---」
ここ数日、気が動転していたらしく忘れていたのだが、いつもの晩酌のなか、ふと思い出し訊ねたところ、とんでもない答えが返ってきた。
父は、3ヶ月前の大雨の晩、見通しの悪い崖沿いの道で車に跳ねられ、ひき逃げされ、死んだのだ。
地方の田舎町。大雨と、あまり熱心ではない鑑識たちによって、あっというまに無くなった事件の証拠。
ボクらにしても、"この父"が突然いなくなったので、どこか雲でも掴むような話で放心し、あっという間の3ヶ月だったのだが、事件は思わぬところから解明された。
「でも彼のことは、あまり責めんでやってくれ」
意外なことば。自分を殺した犯人に対し、ひどく軽い口調で免罪を?
「彼、俺を跳ねてから最近まで、ぜんぜん寝れてないらしいんよ」
おいおい、どこで仕入れてきたんですか、そんな話。
「とにかく、あそこの爺さんが、ゆるしてやってくれ、ゆるしてやってくれ、とうるさくてなー。死んでまでめんどくさいのはイヤやから、まぁ、とにかく無かったことに・・・」
酒屋の息子、ボクの同級生、の祖父。その爺さんならたしか数年前に亡くなっていたはず・・・。
にしても、自分を殺した相手を許してやってくれ?というか"無かったことに"だって??
「とにかく死んでもうたもんは、しゃあないんや。何をどないしても、どないもならんやろ」

妹が完全に壊れた。
死んだ人間が家に居続けるというのは、たとえ実父でも、当たり前だが無理のある話だ。
母にしても、奇妙な笑顔がはりつき、常軌を逸したギャグを平気で言うようになってきた(母まで!)。
彼(父)も自分が居続けることが、家族には良くないことを理解していたが、
「といっても、どこにも行く宛ないしなぁ。かといって近所をうろつくのもマズイやろうし、往生しまっせ・・・て往生でけへんから、往生してるんやがなっ!て禅問答みたいやな、アハハ」
とにかく成仏してもらわなければいけない。
とりあえず、塩など頭からかけてみたが、なんの効果もない。
どうすればいいんだ?

父が死んだ崖沿いの道。事件現場には比較的新しい花が添えられていた。
「ん、俺のワンフー(ファン)でもいるのか?駅前のスナックのKちゃんかな?」
自分が殺された現場に着ても、このノリ・・・。
しばらくすると車が止まる音が聴こえ、小脇に新しい花をたずさえた男が現れた。
「あっ!」
ほとんど同時に。声を出したのはボクと男。すなわち酒屋の息子でボクの同級生のTだった。
「実はオレ・・・」
「言わずとも知ってる・・・つもりでいる」
「なんで・・・?!」
「いや・・・この男見て気づかないか?」
「ん・・・どなたなんだ?」
父はニヤリと笑い、ボクの方を指差し、「コイツの父です」
「ああ、うん・・・えっ、ええあぁ・・???」
「お前、ウチの親父跳ねといて、顔もわからないのか?」
「ど、どういうことなの、これ?!」
ボクは父の足元を指差し、次にボクと彼の足元を。
「わからないか?」
「・・・わからない」
「・・・影がないだろ」
「影がない・・・影がないね、え、影がないっ?!」
父は腕組みしながら、満足げに何度もうなずいている。
「ただ、お前のじいちゃんが・・・」
「え、じいちゃんが何?!」
「いや、いい・・・」
「何が・・・て、あっ!!!」
見ると、親父がゆっくりと薄くなっていく。
「いやぁ、おもろいもん、見させてもらいましたわ。これはあの世でも、ちょっとしたネタになりそうやわ」
「・・・逝くのか、親父?(唐突だな!)」
「え、そうなの?」キョロキョロと自分の身体を見回し、「・・・・たぶん、ほな!」
スーっと消えた、あっけなく。このどうしようもない空気をそのままにして・・・。
「親父さん・・・オレのために出てきてくれたのかな?」
「んなわけねぇだろ・・・いや、わからんが・・・」
「オレ、自首するよ」
「え・・・なんで?」
「なんでって・・・」
「ああ・・・そうか」
残されたふたり。あんな男が舞台をハチャメチャにしたあと。茶番劇を演じるしかない。
「にしても親父さん、いろんな方言が入り混じってたな。どこの出身なの?」
「・・・いや、ここが地元だよ。あれはあれでおもしろいというか、なんかの愛嬌のつもりらしく・・・」
突然、滂沱のごとき涙が頬をつたう。何かがようやくひと段落。自分なりに一巡し・・・ところで、母と妹のそれはどうしたら良いのだろうか?
事件は解決したが、いろんなものをひっくり返したまま、父カエル・・・(?)


断片小説第3弾
にして、すでにこれ短編小説じゃねぇかよ!w
短編とまではいかなくても、ショートショートくらいのサイズ
オレにしては、長々と書きすぎてしまった・・・
もっとすっきり・・・つーか、また予想とはぜんぜんちがうオチに・・物語創作って、ほんとむずかBです

追記:ちなみにこの親父、酔っ払って、崖の上の名もしらぬ花を摘もうと崖をよじ登り、転がり落ちて気絶しているところを轢かれたのがほんとの死因
なのですが、このエピソードを挿入すると話がさらに長くなるし、デタラメすぎるので今回は割愛^^;
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by AMNESIac7 | 2008-12-06 23:15 | 断片小説

優秀な精神科医

「自分のことを完全に正気だと言い切れるというのは、なんらかの狂気に憑りつかれている証拠です」
九州は南部の とある大学病院に、非常に優秀と謳われている精神科医がいる。
彼にかかった患者たちは、患者というよりも信者のようになり、彼にすべてを依存するようになるという。
「優秀な精神科医ほどすぐに壊れる。患者を自己に投影し、シンクロし、悩み、苦しみ、やがてというわけです。優秀な精神科医というのは、いわば消耗品なのです」
--長く精神科医を務めるには、ある程度患者と距離を置かなければならないということですね。あなたは非常に優秀な精神科医であるといわれていますが、そのへんは上手くコントロールできていますか?
「わたしに関しては、ご安心ください。わたしはこの地方では有名な神降しの家系の生まれでして、いわゆる霊媒体質というやつなので、そういった投影、憑依の類いには生まれつき耐性が高いのです」
飛び出したセリフに、わたしは思わず絶句した。
40歳代にしては、艶のある顔立ち。抑揚はあまりないが、すばらしい美声と流暢なことば使い。
インタビューを開始して15分ほど、わたしはすでに彼のファンになりかけていたところだったが、この言葉で一気に目が覚め、困惑した。
--そうだったのですか・・・では、少し話が変わりますが貴方は治療の際、あまり治療薬の類いを処方しないと聞きますが、それはなぜですか?
「人間には耐性というものがあります。この耐性はレセプター、いわゆる受容体の増減によって生まれるのですが、薬物などの投与は劇的な効果を現す代わりに、これらの現象にもひどく関わりがあり、あっというまに耐性を造ってしまうのです。そうなると1度あたりの投薬量も毎回増やしていかないと効果が出にくくなり、身体にかかる負担も必然的に大きくなっていきます。なので私はここぞという場面以外では極力処方しないようにしているのです。この耐性の働きは薬物に限らず、酒、タバコなどの嗜好品でも同じことがいえます」
先ほどの神降し云々の話を聞かなければ、とてもまともな良心的な名医と思えたのだが、わたしはいま、このインタビューをどうまとめるべきなのか、頭を悩ませている。

別の科に勤める同期の医師に話を訊いてみた。
「最近のアイツのことを"ちょっとどうかしている"というひとたちもいるけど、アイツは元々、ああいうヤツだったんだよ」
彼の口から出たのは意外なことばだった。
「聞いただろうけど、"神降し"云々も本当の話でアイツの家は20代以上にわたって、時の権力者たちに影響を与え続けてきた、いわば神降しの名家なんだそうだよ。ウソか、ホントか、現在でも近隣の県知事や大臣なんかが話を聞きにわざわざ此処に"診療"に来てるってんだから、イヤになるよね」
立て続けに絶句することば。
「実のところ、オレはアイツの現在のキャラクター、あれ、ワザとだと思ってるんだよね。この前、いっしょに食堂でメシ喰ってた時もアイツ、"なかなか良いだろ、いまのオレのキャラ"て言ってたからね。たしかに本当に狂ってしまうヤツも精神科医には少なくないけど、アイツの場合は設定を上手く利用した確信犯てのが、ほんとのとこだろうね。悪いヤツだよ、ほんと、ハハハ」
笑いながら、わたしの心の靄(もや)を見事に晴らしてくれたこの医師のことば。わたしはもうすっかり、優秀な精神科医、彼の信者となっていた。



断片小説第2弾は、精神科医の話です。
医療知識(特に耐性云々)に関しては、うろ覚えの記憶からの適当な説明なので、詳しくは各自、自己責任で勉強してみてください(笑)
たぶん次は、死んだオヤジが帰ってくる話"父カエル"をやると思う たぶん、気が変わるだろうけど(笑)
ん、"ドラキュラのたわごと"なんてのもおもしろいかも(謎笑)

ひとりは、ちゃんとコメント書いておくれよ でないとモチベーション落ちて三日坊主に・・・ニヤリ
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by AMNESIac7 | 2008-12-04 19:46 | 断片小説

傘紳士

「おじょうさん、このカサをどうぞ」
雨の日、かわいい女の子を見つけては、駅前でカサを配る男がいる。
はじめのころはよく不審者と間違われ、警察から職務質問を受けることもたびたびだったが、いつのまにか、この駅の名物としてみとめられるようになっていった。
男の目的がナンパではなく、「ただ、傘を渡したいだけ」であることも、いくつかの事例(逆ナンパのおことわりなど)から推測され、婦女子たちの警戒心が薄れていったからだ。
いつしか彼からカサを受け取ることは美人の証であると、女学生たちのあいだでウワサとなり、雨の日、カサも持たずに最寄でもないこの駅で降りる女の子が増えていった。

あるとき、となり町の高校でいちばんモテるという女子生徒が、これ見よがしに男の前を通ったが、素で無視し、おじさんの審美眼はある者たちに高く評価され、ある者たちをひどく怒らせた。
「おじさんが美人とする基準はどこなのだろう?」
雨予報が出ると学生たちは、いつもこんな話題をするようになった。
「オレにはわかるぜ。おじさんはな-------」
ヘビー・ウォッチャーを自称する者たちも増えてきた。
雨の日になると、この駅周辺だけが学生たちで溢れかえるようになり、軽食関係の店やコンビニはまさに潤い、沿線の駅前商店街でも、おじさんの招致が真剣に検討されるようになっていった。

「うぉぉぉぉぉ!」 歓声が上がる。
きょうは大学生とおぼしき女の子がおじさんから傘を手渡され、歓喜。
ギャラリーはみな拍手し、いっしょについてきたと思われる仲間たちに胴上げされ、涙を流す。
(この年、彼女はミスキャンパスの準ミスを受賞することとなる。ちなみに彼女が通う大学は、この駅から7つも離れたところにある。が、それはまた別の話)

カサおじさんと呼ばれる男に話を訊いてみる。
「あなたはいまの状況について、どう思われますか?」
カサおじさんと呼ばれる男はテレくさそうにこう答えた。
「ボクはまだ34歳です。本人としては、まだ"おじさん"と呼ばれる歳ではないつもりなんですけど・・・せめて、"傘紳士"くらいにしてほしいですね、呼び名は」



"断片小説"である
短編にすらしきれない、断片くらいのアイデア
これくらいの分量なら、オレにもすらすら書けるのではないか、と思ってやってみたのだが、いま書きあがりを眺めると、やたらと説明くさく、文体も硬い(笑)
思いつきはほんの一瞬
だから200くらい集めれば、オレでも小説一冊分くらいはすぐに書けると淡い期待を持つも、いま目の前に仕上がったのを見て、暗澹たる気分
日記、評論(もどき)の類いと"小説"とでは、やはり全く文章を書く手法はちがうのだな
小説風味を身につけるのには、まだまだ時間がかかりそうだ
ちょっとした来年の目標になったかもしれんね、これは

ちなみにこれ書くのに要した時間は30分くらい
アイデア、ディテールの大まかな空想時間は省いて、それでもである
せめて半分くらいの時間で書けるようになりたいものすね

追記:ダレかひとりくらい感想くれても良いと思うんだな アクセス数けっこうあるのに・・・(´・ω・`)
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by AMNESIac7 | 2008-12-03 12:55 | 断片小説