逸脱せよ!


by amnesiac7
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カテゴリ:読書感想文独書( 14 )

阿部のグラ・フィナとオースターの孤独を並行読書開始
阿部の方は、某出版社賞受賞作ということもあり、ネタばれがあるため割引だが、
いまんとこ、ふつうに内容的にもオースターのぶっちぎり
「自伝」とのことだけど、この父さん、アドレナリンとかの分泌が少ないんじゃないか?と勘ぐり
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by AMNESIac7 | 2006-11-12 21:19 | 読書感想文独書
大まかすぎるあらすじ
90歳にもなって、人生に初めて訪れる狂おしいほどの春
14歳の生娘、デルガディーナ(じいさんが勝手に命名)に寄せる、甘く切ない老人の恋
妄想と現実が溶け合って、いついかなるところにもデルガディーナが現れる
ふつうの人間なら、とっくにあの世に旅立っている年齢を迎えて始まった人生の讃歌

マルケス作品の特徴
マルケスの小説がたまらないのは、出てくる登場人物たちの多くが、なにかに狂っているところにある
情熱の炎が強すぎて、ほとばしり、遂には吹きこぼれるキャラクター
たとえ90歳の老人を主人公にしようとも、そのエネルギーに変わりはなかった

娼館の主、ローサ・カバルカス
そもそもボクの人生の辞書には、「娼館」などということばは存在しないので、どうしてもあの妖怪じみたピラル・テルネラ(『百年の孤独』)を思い出し、デルガディーナはレメディオス(昇天)
マルケス特有の読者の平衡感覚をズルズルと引きずりまわす文体と相まって、傑作『百年の孤独』で味わったあの感覚をふたたび蘇らせることに成功している

天才作家A
「ガルシア・マルケス旋風」と題して寄せられた大江健三郎氏の推薦文
「(30年ほど前)まさに天才だった作家Aさん」という表現で語られている人物は、「マルケス、大江」というキーワードから、安部公房のことをさすということは容易に推測できるはずだ
どうやら大江は、英語がなぜかダメな安部に訳して読んで聴かせたようである
(ほとんど強制的に安部に朗読させられた、という表現のほうが適当か)
翌日の夕暮れにようやく読み終え、マルケスを「世界の時代を描く男」と評し、酒宴へとなだれこむ
安部をして、これほど手放しで賞賛されるその物語、真髄を知りたくば、やはり『百年の孤独』から読むべきだろう 2度でも、3度でも

いまなお燃え続けるマルケスの炎
77歳を迎えてもなお、燃え続けている男、ガルシア=マルケス
主人公の老人の心情を描写するなかでも、数々と垣間見える自負と情熱
いまだ生への強い執着を持ち、まだまだわしは生きてやるぞ!と高らかと宣言するがごときの今作は、定年を迎えただけで早くも日和ってしまっている、この国の多くの60代にこそ読ませたい
老いる肉体にくやしさすらにじませるエネルギッシュな作品である

これから発売されるマルケスの全小説
新潮社が思い切った勝負にでた マルケスの全小説刊行に踏み切るというのだ
なかでももっとも目を引くのは、08年発売予定の『自伝 語るための人生(仮)』なわけで、まだまだとても「過去のひと」となる気配はいっこうに見せない(『迷宮の将軍』てのも気になっているが)
再新装版となる『百年の孤独』の表紙は、今度はどんな風になるのだろうか いまから期待である

みながみな、相手の感情を無視し、強引に自分の世界へと現実を手繰り寄せていく
エネルギーの塊のような世界だが、現実の無機質な泥沼よりもよっぽどの充足がここにはある
たぶん、筒井のおやっさんもまた燃えるんじゃないかなぁ(笑)

追記:「全小説」といいながら、『青い犬の目』とか『誘拐』とか他にもいろいろ抜けてないか?
うちの本棚にはすでにあるからいいけどね(自慢、かなりの自慢w ただし、まだ「寝かせ」中^^;)
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by AMNESIac7 | 2006-10-03 21:28 | 読書感想文独書

満九十歳の誕生日に、うら若い処女を狂ったように愛して、自分の誕生祝いにしようと考えた

別に、官能小説を紹介しようとしているわけではない
マルケスの最新作_『わが悲しき娼婦たちの思い出』が、遂に翻訳されて発売に至ったのである
訳者は、ざんねんながら『百年の孤独』の鼓直ではなく、木村榮一(こちらもマルケス作品では常連)だが、冒頭の2・3ページですでにやられたw
今作は、川端康成の『眠れる美女』にインスパイアされて書き下ろしたそうだが、かなり期待できそう
お得意の段落なし文も、今回はかなりの手加減っぷりなので、あっちゅうまに読み終わりそうですね(今回はページもかなり少なめです)
とりあえず、今夜の睡眠時間削れは確定です、はいw
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by AMNESIac7 | 2006-10-01 20:39 | 読書感想文独書
「いまごろですか、さすがはあむさん!」
ブックオフの新書コーナー 105円で本棚に眠っていた
2003年刊行の大ベストセラー 内容は知らずとも、その名くらいは知っている

まず冒頭で、この本が養老氏による対談や公演が(他人の手で)文章化されたものだということを知る
で、「バカの壁」とは、「思考が頭打ちになるポイント」をさすということも
ひとは、立場のさまざまなどを理由に、思考の限界点を持っているものだが、「それを自覚していない人間」のなんと多いことか、といった趣旨の指摘が次々と並ぶ
「現実」というものを構成する無限のベクトルが生みだすあやふや(漠然)さ
それらを無理やり単純化しようとする固まった思考回路(脳のストッパー機能)
たぶん、そういったことに対する鋭いメスが今後、展開されていくのだと思われる(まだ読み始め)
「きめてかかる」ことの無知さ加減

としても、なぜにこんな真面目で、過去にも類似品の多い本が、このように大ヒットしたのだろうか?
やっぱ養老氏のネーム・ヴァリュー、タイトルの付け方、口語体、というのがポイントなのかな?
(あ、あと本のサイズもかw)
読むには読み切るつもりだけど、はたして独創的で鋭利な視点はあるのかな?(微妙っぽいけど)
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by AMNESIac7 | 2006-09-28 20:23 | 読書感想文独書
思想がないのに事を起こすやつほど怖いものはない

君たちの中でイナカ者でない者がいたらこの女に石を投げよ

「僕はそのとき二十歳だった。それが人生の中で一番輝かしい時期だなどととはだれにも言わせない(※『アデンアラビア』ポール・ニザン)」

「まんざらでもない」瞬間

スルメみたいな世界

全力で追っても捕まるかどうかのすばしこい奴だったのである

_中島らものエッセイ『僕に踏まれた町と僕が踏まれた町』 
きょうは店がひますぎたので、1冊読みきってしまった
断片的には、らもすの評論は過去にも何度か触れたことがあるのだが、1冊、流れに沿った文章というのに触れるのは、今回がはじめてだった
このひとの魅力とはいったいなんだったのだろうか?(いや、セールスポイントが魅力か)
冷めているようでいて、ゆずらない部分を持っていて、おおらかなようでいて、とても繊細
自覚的な部分、本人の気づいていない部分
夢想家としてのしまりのなさと、思索家としての誠実さ
漠然としたものを掴む感覚と、その漠然をそのまま提示する能力
主に中学時代から大学時代、そしてほんのすこしの「社会人」時代の想出
一般とは別の時間の流れに浸かり、酒に浸かり、ひとに浸かり、酔いから醒めて、また浸かり
正気という狂気からの逃亡(闘争)と着地、そのまた繰り返し
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by AMNESIac7 | 2006-09-23 21:32 | 読書感想文独書

99.9%は仮説

99.9%は仮説 思い込みで判断しないための考え方

別に科学について、科学的アプローチで突っ込んでいく本というわけではない
(いや、そうでもあるわけだが)
物事の考え方 とりあえず既成概念についてでも、まずは疑ってみよう、という思考の本だ
われわれがいま「常識」と信じているものは、時代、場所によって、まるで判断がちがってくる
それらすべてが「まちがっている」のではなく、その空間においてはすべて「ただしい」判断ということ
「常識」というものを「常識」として扱うことが「非常識」な行為でもあることを指摘する書
基本的には、ぼくのスタンダード・スタイル(「アン・アーキズム=権力の不在」の精神 既成概念、道徳への根本的不信)そのままなので、ぼくが読んでいまさらどうこう、というものではないが、そうでないひとにはぜひ一度読んでいただきたいオススメの書である

「なんでアイツとは話がかみ合わないんだ?」という疑問にも、納得できる答えがありますから、ハイ

☆竹内薫オフィシャルサイト☆
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by AMNESIac7 | 2006-09-14 21:46 | 読書感想文独書

方舟さくら丸

ひさしぶりに不愉快な小説を読んだ
物語の内容は、核シェルターを造り上げた男が、来るべき核戦争時代に生きのびる資格のある人間を
吟味・選別していくというところから始まるのだが、なにが不愉快かって、やはりその「リアリティ」にである

条件・選択肢を絞っていくことによって、あらわとなってくる人間の心理
特に後半は、ひとびとを戦争へと向かわせるもの、「支配できる側」に回ったときの人格「変貌」の描写、
をまざまざと見せつけ、不愉快きわまりない状況を展開する

ほうき隊、のちに新隊長の副官になった老人は、実際、「どこにでも存在しうる」変質的老人だった
「女子中学生狩り」、性的暴行を加え放題の未来図に興奮し、酔いしれるほうき隊隊員たち
現在ならばカオスそのものだが、戦時中ならば、それが「平常」感覚となりうる恐怖
現実、銭湯で談笑していた老人たちの会話を思い出した

これはフィクションでもなんでもない老人たちの和気藹々とした会話_
「あそこのおばはん、むかしヒロポンやりすぎて、裸で道走ってたことあったなぁ」
「あははは、アイツ、むかしはパンパンで有名やったんやで」
「ほんまかいな そういえば○○もやったの、やってないのって」
_老人のひとりふたりなら、こんな失言はまず吐かないものだが、4人も揃えば気もゆるみ、
思わず童心にかえり、「むかし話」に花が咲く

そういえば、安部公房は、いまでこそ気のいい孫思いの老人の仮面を被っているが、いまアナタの横で
ふつうに野良仕事している老人たちも、戦時中には出征し、東アジアの人間たちを殺していたという事実を
忘れるべきではない、と(いう趣旨の)指摘していたことがあったか
もちろんこれは全老人男性をさすものではなく、一部のではあるが、実際、「よき老人」という迷彩を施された
殺人者たちが、確実にいまも「平然と」生活しているという平和な現実がある

状況を主体的に受け止め、能動的に動く人間
受動的立場のまま、流される人間
ご破算の願望 状況次第で、支配者側にのし上がろうとする野心
人生の目標を大事とすりかえる心理
ひとをひとと思わないことが、ひととして当然と考えるひとがいるという事実
自分の野心の虜囚は、それ以上の野心を持つ存在によって、初めて自己を閉じ込めていた
牢屋のカギの在処を知る
「組織」が麻痺させる「個人」の感覚
サクラ、サクラ・・・錯乱

ほんとうに不愉快な小説 
しかし、それはもちろん目を背けるべきものではなく、凝視して検分しなければならない現実味

戦時中だって、多くの人は愛国心などを本気で信じていたわけではない。そういわなければ村八分にされてしまうし、とにかく口にとなえていさえすれば安全なのだからと、ただ機械的にくり返しているうちに、いつかそんな気持になってしまったというだけのことである(安部公房)
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by AMNESIac7 | 2006-08-14 20:10 | 読書感想文独書
既刊の11巻まで、はやくも読了してしまいますた・・・
これで次巻が出るまで、悠久の月日を待つことに・・・
いまのペースからいくと、12巻は2010年ごろ?
14巻を完結予定とし、それに外伝などを加えるという構成だが、はたして・・・
とりあえず、次はマヴァール年代記に移るけど、なんともはや^^;
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by AMNESIac7 | 2006-03-11 21:16 | 読書感想文独書
真夜中を越え、仕事の合間をぬい、はやくも6巻中腹までの快進撃 この麻薬性はいったいなんなのだろう?
第1部7冊、第2部おなじく7冊に外伝を加えるという構想の一大叙事詩
完結すれば、まちがいなく銀河英雄伝説と並ぶ、田中芳樹の代表的傑作となることだろう
長編ゆえに敬遠するひとも多いだろうが、ここではすこし、物語の概要を紹介

主要国家

・パルス_モデルはおそらくペルシア アンドラゴラス王が率いるシルクロードの中心国家
・ルシタニア_ブリタニアか? イアルダボートのみが神と崇める十字軍なみの超排他的集団
・シンドゥラ_エジプトがモデルか 象兵を使う
・トゥラーン_パルスと長期に渡って抗争 たぶんモンゴルがモデル

主要人物
・アルスラーン_この物語の主人公 まだ少年で今後の成長が期待される アルス(地球)ラー(太陽神)から?
・ダリューン_独壇場状態の趙雲 万騎長(マルズバーン)最強の男
・ナルサス_武勇もいける積極的なヤン・ウェンリー アルスラーンのよき軍師
・ファランギース_美貌の女神官 正確無比な弓の使い手 みんながうっとりらしい
・ギーヴ_放浪の楽士にして盗賊、詩人でもある ポプランとアッテンボローのブレンド版
・銀仮面の男_ネタばらしになるのでここでは・・・いろいろとややこしい血統の持ち主
・アンドラゴラス_アルスラーンの父にして、パルスの王 アルスラーンになぜか酷薄
・謎の魔道士_蛇王ザッハーク復活を企て、裏で暗躍 まるで地球教

人物評がどこまでも銀河英雄伝説基盤だが、銀英伝ファンならまちがいなく読んだほうがよい作品
そうでなくとも読むがよし 読め 読むんだ オラもいまから読むんだ |∇')ノんじゃ♪

※そういや、この物語、指輪物語にも似ているけど、ファイナルファンタジー・タクティクスにも似ているね
てか、タクティクスのほうは完全にこの作品からの影響がデカいんじゃないかな
なんか急にまたFFタクティクスやりたくなってきたやw (もちろんその場合はアルスラーンの名でww)
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by AMNESIac7 | 2006-03-03 23:58 | 読書感想文独書

田中芳樹

田中芳樹といえば、『銀河英雄伝説』
『銀河英雄伝説』といえば、田中芳樹というくらい、彼には大きな作品があり、
ボクも、この作品には、アニメから入り、正伝10巻・外伝4巻からなる小説版もすべて読んだクチである
タイトルのセンスのなさ(筆者が故意に簡素にしたきらいはある)に反比例するかのごとく、キラ星のごとく現れる魅力溢れる登場人物たちのオペラに、「いつまでも読んでいたい」と読者を惹きづりこむ、稀有な作品である
このあまりにも素晴らしい代表作の存在のおかげで、ボクはそれだけで満足し、その他の彼の作品には、これまでまったく関心をしめしていなかったのだが、『タイタニア』によって、そのブレーキは見事に踏み外された

『タイタニア』は、『銀河英雄伝説』と同じく、宇宙を舞台とした国家(主権)の興亡記であるが、
既刊はわずかに3冊(といっても徳間書店の新書は1ページ2段構成なので、実質はその倍に近い)と少なく、
その上どうやら完結も定かでないという具合(ボクの好きな作家はこんなんばっかか!?)なので、
いままで避けていたのだが、読み出すと「やはり!」であった
そして当然のことながら、こうなってくると、である

『アルスラーン戦記①~⑨』と『マヴァール年代記①②』を昨日、購入
『アルスラーン』のほうから昨晩、読み始めたが、これは前述2作と反し、架空の中世が舞台(モデルはペルシアあたり)となり、①巻では半ば、『ロード・オブ・ザ・リング』やさまざまな不朽の名作の要素を散りばめつつ、今後の展開に大きく関与していくであろう数多の伏線が配置されており、「設定好き」にはたまらない展開だった
こちらももちろん未完(w)で長いブランクを経て、最近になってようやく新刊が出たばかりであり、
いますこし完結には数年(悠久だなw)を要しそうだが、いまのところボクが読んでいるのは、まだ①巻のおわりなので、まだまだそこまで気にする必要もなさそうだ(1ヶ月くらいは、だけどね)

田中芳樹作品は、安部公房と同じくらい、ボクの思考形成に関与している
どちらも論理的かつ精密な筆致を持つが、安部作品が思考力の低い人間には理解しがたいのに対して、
田中作品は、「バカにもなんとなくわかる」レヴェルにまで、親切丁寧に書き下されている
ことが特に政治学的な分野に触れる場合、まず入門書としては、田中作品のほうが優位ともいえるだろう
(安部公房は、鋭い視点の評論にこそ、真価を発揮する先人にして巨人である)
まぁ、すこしばかり彼が描く英雄像が、明晰な頭脳と「公正」な思考を強く持ちすぎる点に関しては、
「現実にはなかなかこうは・・・」と思わせるところがあるが、それはやはり物語で「(ある種の偶像としての)英雄」の伝記である以上、そこは素直にたのしむのが、読者の作法というものでもあるのだろう
なんにしても、しばらくはどっぷりと田中芳樹ワールド浸かるとしましょうか 『創龍伝』は読む気はないけどw
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by AMNESIAc7 | 2006-02-28 09:37 | 読書感想文独書