逸脱せよ!


by amnesiac7
カレンダー
S M T W T F S
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31

カテゴリ:小説もどき( 2 )

サマー☆ビューティ

とてもとても暑い夏でした
とても「さわやか」な夏でした
波の音が聞こえ さわやかな風が吹く
ビーチではしゃぐ 子供たち
小鳥のようなセックス

別に夢の話をしてるわけじゃない
境界線が常に一定だなんて 老人のようなおろかしさだ

山を登っていました
霧は辺りにはたちこめず しかし延髄のあたりをモヤとなって覆っていました
山の中腹にさしかかったころ 目の前に男が現われました
男に向って歩をすすめようとすると なぜか足元から ただでさえない感覚が失せ
一向に近づけなくなりました
男は ボクが5歳のときになくなった父親でした
ふたりのあいだには なんのなつかしみもありませんでした
5歳のときになくなったのなら すこしは記憶がありそうなものだけど
ボクにはたった1枚の写真の記憶しかありませんでした
なぜか男も同様のようでした
理想的な父と子の対面

冬のにぎやかな地下街
通りを歩くひとびとは みな一様に原色の暖色を身に纏い とても笑顔でした
ボクも気づくと笑顔でした
そこには音はなく まったくなつかしくないノスタルジアが横たわっていました

気持ちのよい春でした
山も野も灰色に枯れ 歩くたびにパチパチと草木の折れる音がしました
あたりには動物がいないかわりに なぜかやさしさが満ち溢れていました
おそらくそこは故郷の風景に似ていたにちがいませんでした

季節は巡ります
順番が変わろうとも
問題は最後をすごす景色です
どれもカタワモノの景色なら どの景色を選ぶのが正解なのだろうか

エロ・テロリスト=インリン・オブ・ジョイトイ
[PR]
by amnesiac7 | 2004-11-20 17:10 | 小説もどき

やり逃げ短編小説①

彼はたしかに死んでいた
背中から一突きにされて
その点に関しては、彼も認めている
たしかに私は、背中から心臓に向って刺され、刃先はちょうど胸の真ん中で頭を出していた、と
_ならば、なぜ目の前の男は生きているのか?
いや、これは正確な表現ではない
たしかに彼は、有機物から無機物へと変化し、生命の活動を停止しているのだから
心臓も脈もその活動を止め、しっかりと沈黙を守っている
刺し傷も、彼の言うとおり確実に致命傷の跡を残している
僕は彼の許可を得て、丹念に確かめた
間違いはない

ね、おかしなひとでしょ? 
と、彼女はこともなげに言った、微笑すら浮かべ
彼の死体の第一発見者は、彼女だったという
おそらく失血性のショック死だったはずだ、と彼もさらり
普段と違ったところいえば、彼の身体が、血の気が失せ、チアノーゼを起こした土色であるということと、彼の背中に、向こうの景色がうっすら見えるほどの刺し穴が開いているということくらい、だろうか
他のスタッフたちも平常どおり、何食わぬ顔で各々のデスクにつき、資料の収集や整理をしている
いつもと同じ風景が此処にはある


(つづく・・・のか?w)
[PR]
by amnesiac7 | 2004-09-10 18:24 | 小説もどき