逸脱せよ!


by amnesiac7
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イノセンス

「イノセンス」を見た。いわゆるブルジョアジー映画の集大成的作品だった。
話によると「イノセンス」は、「甲殻機動隊」という映画の続編的作品らしいのだが、オレは「甲殻~」のほうはまだ見ていない。
監督・脚本の押井守の作品に触れるのも、おそらく今回がはじめてだ。
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設定は、俗にいう「電脳」的近未来。舞台となるのは、華僑的未来都市。
これは、現実的近未来像を描いた作品ではない。80年代バブル期に一部のマニアたちによって描かれた、当時のある種の人々が描く、「理想的」な未来の都市像である。むき出しの、いい塩梅に荒廃した・・・。キライな世界観ではない。

まず「声」に思わず「ぉぉ!」と唸った。主人公とその相棒の声、「カウボーイ・ビバップ」のジェットとスパイクの声のひとじゃないか!と。
CGの凄まじさにも驚いた。しかし、あまりにもヤリすぎで、元来の意味でも「すさまじ」かった・・・。

登場人物たちは、みな、なぜかやたらと古今の名言を吐いた。DVDを貸してくれた友人に言わせると、これがいわゆる「押井守の世界観」らしいのだが・・・。
登場人物たちのセリフには、どこを探しても、なぜかみんな「自己」が存在しない
「ひょっとして押井守って・・・」

押井守はいわゆるインテリゲンチャのようだ。古今の哲学者たちの言葉をマメに収集する。
実生活とは直接関わりのない事象に思いを馳せる、ある程度のヒマとカネを持ったブルジョア。
たくさんの情報を持った知識者。いまだ知恵者にはなれない・・・。
哲学者に憧れるが、ただ先人たちの思想をステンドグラスのように繋ぎ合わせているだけのインテリゲンチャ。
しかし、この「繋ぎ合わせ」のセンスが知恵者ワナビーズの琴線に触れ、評価されているのもうなずける。そういう作品だった。
押井が知恵者になるために足りないもの、オリジナリティを生み出す「狂気」への熱望は、「華僑」という混沌とした熱気のある舞台に形を変えて、作中にもこぼれていた。
押井自身も、自らがいまだインテリゲンチャに滞っていることには気づいているようだ。

作品の主題のひとつ「自己の立つ場所」について_
作中で語られる、「いま見ている世界は本物かどうか」「本物とはなにか」についての妄想は、みな、だいたい小学生の時分には、一度は考えること。
その後、何度か繰り返し、成人するころにはだいたいの自分なりの折り合いがつくものなのだが、押井はとことんハマりこんでいる・・・。
はっきりいえば、ブルジョアだから、ヒマだからハマりこむのだ
もっと現実に生きてください!と以前のおせっかいなオレなら言っていたかも知れないが、やはりこれは本人の自由。カネがあるなら、どうせなら、とことんスキにやってください、といま。

この作品の生息位置は、未来でもなけれれば過去でもなく、現在ですらない虚無の世界
しかし、キライでもない。
(20代前半のオレなら、なかなか高い評価をつけていたかもしれないゆえ・・・w)

作品評価:65点(60+5) ※プラス5点は声優さんでw 

いまのオレ、どっぷり氷室冴子の世界にいってるから~w いま虚無サイクルに入ってないから~w

※ところでこの主題、ビバップの「ブレインスクラッチ」で十分じゃん!30分だし、オチもすっきりだしw
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by amnesiac7 | 2004-10-02 22:15 | まれに映画なぞ