逸脱せよ!


by amnesiac7
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やり逃げ短編小説①

彼はたしかに死んでいた
背中から一突きにされて
その点に関しては、彼も認めている
たしかに私は、背中から心臓に向って刺され、刃先はちょうど胸の真ん中で頭を出していた、と
_ならば、なぜ目の前の男は生きているのか?
いや、これは正確な表現ではない
たしかに彼は、有機物から無機物へと変化し、生命の活動を停止しているのだから
心臓も脈もその活動を止め、しっかりと沈黙を守っている
刺し傷も、彼の言うとおり確実に致命傷の跡を残している
僕は彼の許可を得て、丹念に確かめた
間違いはない

ね、おかしなひとでしょ? 
と、彼女はこともなげに言った、微笑すら浮かべ
彼の死体の第一発見者は、彼女だったという
おそらく失血性のショック死だったはずだ、と彼もさらり
普段と違ったところいえば、彼の身体が、血の気が失せ、チアノーゼを起こした土色であるということと、彼の背中に、向こうの景色がうっすら見えるほどの刺し穴が開いているということくらい、だろうか
他のスタッフたちも平常どおり、何食わぬ顔で各々のデスクにつき、資料の収集や整理をしている
いつもと同じ風景が此処にはある


(つづく・・・のか?w)
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by amnesiac7 | 2004-09-10 18:24 | 小説もどき