逸脱せよ!


by amnesiac7
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相対に潜む不埒

最悪の気分
まるで出口がないかのように思われていた世界に、大きな風穴をあけたのは、希望の光ではなく、
ここ数年、けして思い出されることのなかった記憶のなかの住人だった

銭湯の脱衣所、内股でへたり込む男の後ろ姿
小柄でガリガリ 長年、身体に支障をきたしているのは明白なあり様
その姿は、ボクの知る男のそれに似ていて、ボクは思わず、横から男の顔をのぞきこんだ

ボクの小学校時代の同級生に、ひとり身体障害者(※当時の表現)の少年がいた
彼は、身体の筋肉がおかしな具合に形成されていて、腕も足も顔面も、弱よわしくひん曲がっていた
いま考えれば、幼年期に脳性マヒでも起こしたのであろうと想像できるが、当時は、ただ"生まれついての障害者"くらいにしか認識されていなかった(誤認)

男は、予測しうる範囲での、彼の"その後"のように思えた
訊ねようかとも考えたが、なんと声をかけてよいのかもわからず、彼が去るのを、ただ見過ごした
後で番台のおばちゃんに尋ねたら、別人であることが判明したが、男を見たときのボクの感情の変化には、ボク自身、看過できないものがあった
(結局、別人だった)男を見たとき、ボクの感情の成分のなかに、たしかに"優越"に似たものが発生したことが認められたからだ
彼よりも、ボクの身体は優れている 彼よりもボクの容貌は優れている 彼よりも・・・
(=男はただ生きることでさえ苦痛、支障をきたしているのだろう、と)

ボクの視界はあまりにも狭い
見渡す世界は360度といっても、それは平面的なものに過ぎない
社会の(敢えて表現するところの)底流も、天空も、無意識にオミットされてしまっていた
平面性がもたらす閉塞感 あっという間の袋小路
だけど世界は、もちろんそんなものじゃない 当たり前だ

相対性は、物質的世界の尺度(数的なもの)でほとんどが語られる
物質主義には、いつだって悪意が孕む
アイツよりも、ダレよりも 優劣を競うためのツール、虚飾と欺瞞で満ち溢れている

修羅と畜生の間境であがくボクたち
人間のつもりでいながら、人間性を獲得できていないから、その目線は人間界にない
天上をのぞむ 天上という概念によってもたらされる底流
ほんとうの視野とは、それらすべてを包括できるものでなければならない
でも、ボクらは自らを何ら疑うことなく、機軸とし、対象を相対として落とし込む
天空から地面に突き刺さる太い柱 精神を意識もせずに

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ともかく、別人だったとはいえ、ボクの現在の闇(病み)に、大きな風穴をあけたのは彼だ
穴さえあけば、毒はゆっくりと追い出すことができるだろう
そして、また"忘れる"ことによって、ボクはゆっくりと死に近づいていく(つもりはない)
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by AMNESIac7 | 2009-11-08 23:39 | 雑記・雑感