逸脱せよ!


by amnesiac7
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閉塞のマトリョーシカ

ドアをノックする音。
この煮詰まった状態においては、それはほとんど福音の響きだった。
だが問題は、ノックされたのが玄関ではなく、隣の部屋と通ずるそれだったことだ。
ここ数年、この家にはオレ以外、誰も存在したことがないというのに。

閉塞がさらなる閉塞を生む。
閉塞のマトリョーシカ。いつのまにか、オレには数十重の外壁が覆いかぶさっている。
ほとんどは、オレの性格に起因する、とるに足りない引っかかり、だが   

打撃音がボリュームを上げる。明らかにグー。拳骨の祭り太鼓。
オレはヤク中じゃない。「オレは大丈夫だ」と3回小さく唱える。
オレは大丈夫だ? そんなことを確認しなければならないほど、オレは大丈夫じゃなくなってるのか?

ドアを開く。
ドアの前に立っていたのは、オレにそっくりな    オレ自身だった。
意識が遠のき、はっきりとする。
オレは今までいた部屋を覗き込んでいる。
やけに濁った空気。窓も雨戸も閉まりきっていて、外界を完全に遮断し、カビを自生させ。

ふり返る。
今度の部屋    隣の部屋にも、やはり光は射し込んでいない。
今度は内側からぶち破るか? 今度?

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見上げる。無限の空。
無限にも無限の絶望がある。

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永遠の拡張工事(自己虚構)
オマエはどこまでデカくなったと思えなければ、外界に触れない気だ?
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by AMNESIac7 | 2009-09-17 18:41 | 断片小説