逸脱せよ!


by amnesiac7
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友情

「あいつは何に対してでも、いっさい報われてはならないのだ」
一番の友人と言われているはずのこの男から、なぜこのようなセリフが飛び出すのか?
「あいつの詩は、あいつの烈情によってビカビカと光る。烈情は怒り、不満から生まれるのだから、小さなものでも満足は敵なのだ」
どうやら彼は、友人である詩人そのひとよりも、詩人が紡ぎ出す詩そのものを強く愛していて、結果、彼は友人の不幸を歓迎するような下劣な人間であるらしい。
わたしは、このことにたいへん憤りをおぼえ、詩人である男にありのままを告げ口する。
だが、詩人から返ってきたことばも、わたしの予期せぬものであった。
「それほどまでに彼は私の詩才を愛していてくれただなんて、なんと素晴らしい男なのだろうか!」
友情の回路にも、様々な種類があるらしい。わたしには理解できぬことだが、たしかに彼らの友情は本物であり、親友と呼べる間柄といっても差し支えのないようだ。

しばらくして、発表された詩人の新作の評判は、非常に芳しくないものとなった。
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by AMNESIac7 | 2009-09-12 19:14 | 断片小説